No.777 道の駅の経営②

 岐阜県内には全国2位という多くの「道の駅」がありますが、道の駅が設定された当初は「トイレ休憩ができる貴重な場所」という存在感がありましたが、昨今ではコンビニも公共性からトイレを開放するようになり、道の駅も都市近郊にできて、スーパーマーケットなどとも競合が激しくなっています。

開設当初は大変賑わった道の駅なのに閑古鳥が鳴き始め、客足が遠のいた寂しい道の駅と、賑わいを維持している元気な道の駅の2つに明暗が明確に分かれてきています。この様に道の駅経営の明暗が分かれてしまう事案が岐阜県内のあちこちで見られる様になったことから、この地域の地域活性化を妨げる一因として危機感を持ち始めました。

 そこで、各地の道の駅を調べ始めてみると、いくつかの問題点が見えてきました。何と言っても前回「No.774号道の駅の経営①」に書いたように、道の駅開設時の事業計画に起因甘い経営計画が明暗をわける大きな要素となっている。

 春先から初冬までの期間は、数多くの野菜、果物、そして花など様々な農産物が店頭に並んでいるが、冬期間は一部のハウス栽培野菜などは残るものの、全体として生鮮野菜不足はどうしても避けられず、売り上げは大幅に低下する傾向にあるため、販売商品が野菜・果物などに偏った店舗では収益の確保が困難となる一因となっていた。

 これに対して、肉類およびハム・ソーセージ、乳製品とその加工品などの季節に左右されにくい商品を販売商品として持っている店や、レストランなどの飲食部門を持っている店舗は、季節的な売り上げ変動を少しでも回避できている。レストラン食堂などの飲食部門を持っている店舗の難しさは、休日は観光客である程度の集客が見込めるのだが、平日に地元客の常連を取り込むことができているか否かが大きな要素ではないかと思っている。特に喫茶店文化を持つ中部圏では、早朝からのモーニングメニューによる地元客とのコミュニケーションは重要と思う。しかし、第3セクターが経営する道の駅にみられる問題は営業時間などに顕著にみられる傾向で、お役所と同じ午前9時開店、午後5時閉店になんの疑問も持たず多くの売り上げを逃していることに気付くことも無い。

 町営レストランの経営アドバイスを求めてきた町があったが、朝7時開店などの地元客優先のシフト勤務を提案したのだが、結局従業員の反対が多く実現できないと回答してくるなど改革を進めることはできず、副社長を問い詰めたが結局血を流しても改革を進めるだけの危機感はなく、改革は困難だったとの報告書がまとめられたと聞いた。

 前回も書いたが、店舗経営を含む組織の経営は、経営者の熱い情熱と強い責任感なしには実現できない、大変厳しいものだということを行政の方々もご理解いただきたい。 (田村)

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