No.786 マインドセット(改訂)

 私は、「無理」という学生の言葉に強い拒否反応を示していることに最近気が付いた。何故だろうと古い記憶を思い起こしてみると、思い当たるのは以前勤めていた会社の社長から言われた言葉に行きついた。社長から言われた言葉は「難しいことは分かった、しかし、次に来る時はどうしたら実現できるのかを検討して、その結果を持ってきて来てくれ」という意味のことを言われた。もう、30年以上前のことなので多分そうだったと思う。

 約1ケ月前、学生たちに当初予定で入れてあったイベントの正式日程と集合時間が決まったことを告げると、その日は会社説明会の予定があるので「無理」という言葉が返ってきた。あまりに簡単に「無理」という言葉が返ってきたことに、私はつい言葉を荒げて「無理」と君が言うことは君自身が他の人との交渉能力が無く、コミュニケーションする能力も、優先順位を判断する能力も無いことを自ら認めると判断してもいいですかと聞いていたのだ。

 学生には相当きつい言葉だったと思うのだが、私より学生の方が大人の対応をしてくれて、ニコニコしながら先生も大変だね、分かったよ、会社説明会の日程を変更できないか聞いてみるね。と言って部屋を出ていってしまった。そして、イベントの集合時間に間に合う様に来てくれたので、私がありがとうと言うと、ニコッと笑ってくれた。

 この時期の4年生の心理は、各々の状況やストレス耐性によって明暗、悲喜こもごもで揺れ動いている。就職支援委員や就職支援課の職員に相談に来る学生は把握できるのだが、まったく動向が見えない学生がとても心配である。一部の企業では会社説明会だけでなく、筆記試験や面接試験が行われていて、この段階で数回の不合格通知を受けて落ち込んでいる学生も多いのだ。初めての入社試験に相当のストレスを感じながら臨み、そして何社からも不合格通知を受け取ると、落ち込むなと言っても難しいのが実情である。

 そんな時、私は本命の会社はまだ受験しないで取っておきなさい、先輩たちはみんな5社~10社落ちながら面接練習しないと上手にならないと言っていたからね、君もまだ数社落ちたくらいではまだ素人で、一人前の受験生として実力を発揮できる段階にはなっていないからね。と明るくアドバイスしている。

 社会人は「無理」と言うことで面倒なことから逃げることは許されない。新たな挑戦を諦めることが、己の可能性を狭め、明るい将来への道を閉ざしてしまうことだということを、うるさいと嫌われても学生たちに伝えなければいけない重要なことだと思っている。

 自分だけは自分の力を信じて、目標と夢を実現するために努力を続ける。このモチベーションを維持する原動力は「マインドセット」だ。

 何の裏付けもない自信を持ち、無茶ともいえる挑戦を堂々とするためには、俺はできる、やって見せるという「マインドセット」が不可欠だ。学生が大学在学中に「マインドセット」をするチャンスを見逃さずに後押しして行こうと思っている。

 是非自分の力で将来を明るく切り開いて欲しいと願うばかりだ。 (田村)

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