No.792 地元への就職

 4年生は就職活動の真っただ中でいくつもの内定をいただいている者もいれば、なかなか内定がいただけずに悩んでいるものなど例年と同じく学生によって様々な状況です。

 学生と面接の練習や履歴書指導の中で感じている気になる傾向として、地元に帰って親と一緒に暮らしたいという学生が増えている様に感じています。学生たちには会社の制度として、本社採用された学生は「総合職」として将来の幹部候補となるが、支社・支店採用の場合は正社員であっても地域限定社員(会社によって呼称は異なる)となって、総合職とは異なる給与体系で本社の幹部社員となることは高いハードルがあること、ただし総合職は人事異動に対して断ることは出来ず、従わない場合は退職せざるを得ないという二者択一が求められることを説明してきました。

 

 そこで、ネットで探してみると、明治安田生活福祉研究所が2016年7月に発表した「親子の関係についての意識と実態」-親1万人・子供6千人調査-の中に「子どもの就活に関与」という項目があって、親が就活をしていた頃と比較して就活に関与(積極的に関与+少しは関与)したのは27.0%で、男女別では男性 25.2%・女性 28.8%となっていて、「全く関与されなかった」は、40%超となっていました。就活経験のある子どもを持つ親が子どもの就活へ関与したのは 38.0%と、親が就活をしていた 頃より高くなっています。母親の方が父親より関与した割合が高く、息子の就活へ は39.6%、娘の就活には45.9%関与しているとの調査結果です。

 また、子どもに自分たちの居住地の近くで働いてほしいかを親にたずねると、近くで働いてほしいと思っている(「思う」+「どちらかと言えば思う」)親は 58.5%で、父親より母親の方が高くなっています。娘に近くで働いてほしい親は63.7%で息子の53.5%よりも 10ポイント高く、また母親の65.5%が娘に近くで働いてほしいと思っています。

 

 学生たちはこの様な両親の希望を忖度しているのでしょうか、先日、仙台にお住いのお母さんから息子が就職するのだけれど出来れば仙台に帰ってきて欲しい、朝日大学でも仙台の会社に就職できるような情報提供はしてもらえているのかという質問をいただきました。全国各地の企業からの求職情報を提供しているのは当然です。しかし、地方に本社のある企業でも総合職は日本国内だけでなく、海外勤務でも異動命令には逆らえません。お母さまは息子に出世など考えずに給料の安い地方限定社員で良いとおっしゃるんですかと返信をさせていただいたら、直ちに返信があって、先生の言葉で思い出しました、私たちが結婚した時に夫はニューヨーク勤務でした、もう息子の就職に口は出しません。とのことでした。

 企業は生き残りのためにいろいろな策を講じて採用活動を行い、社員の雇用対策を行っています。そればかりではなく、AI、IoTなどの波は職場や仕事を大きく変えます、私のような老人が生きた50年間とは全く異なる時代となることは明らかであり、学生たちの親御さんたちが生きた30年間とも社会の仕組み自体が変化することを認識していただきたいのです。

 学生たちが働き盛りとなる20年後、日本がどうなっているのか、私には想像できません。 (田村)

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