No.807 変なホテルが都心に進出

HISは、ハウステンボスに開業して話題を集めた、ロボットホテル「変なホテル」を東京都内5カ所程度で開業すると発表した。長崎ハウステンボスをはじめ、千葉県浦安市、愛知県蒲郡市に開業した同ホテルが好調なことが要因だ。

「変なホテル」は、2015年にハウステンボス園内にオープンしたのが最初で、多言語対応の恐竜の形をしたロボットなどがフロントでチェックイン・チェックアウトの手続きを行い、コミュニケーションロボットが利用者の滞在をサポートするというユニークさが人気となり、ハウステンボス内のホテルは、144室から200室に建て増しするという。

製造業の現場では、作業をロボットに置き換えて作業効率を高めるとともに人件費を抑えているが、その手法をサービス業に取り入れることができるのかが問題であった。確かにホテルのチェックイン・チェックアウトだけの対応であれば、端末操作に慣れた人たちであれば全く問題なく行うことが可能であろう。現実に航空会社の搭乗カウンターでは端末によるチェックインが当たり前に行われ、一部のホテルではチェックアウトを端末で行っているホテルが増え、スーパーマーケットでも現金支払専用端末の導入が始まっている。

変なホテルでは、接客をロボットが行い、人件費を圧縮して利益を出すビジネスモデルだが、生産性の高さだけではこの成功は成しえなかったと私は思っている。

千葉県浦安市に開業したホテルは、市内にある東京ディズニーリゾートを訪れる家族や訪日客の利用を見込み、愛知県蒲郡市は複合レジャー施設ラグーナテンボスに直結している。これら3つのホテルが好調なことは、テーマパーク内かそれに隣接しており、家族連れを対象にしていて子供たちにロボットは大人気なのだ。

単なる効率向上のロボット導入ではこの人気を得ることは不可能で、恐竜などのロボットとの会話やコミュニケーションにたくさんの工夫が取り入れられていることに着目すべきだと考える。

一方、都内のホテルは純然たるビジネスホテルの形態となる。ビジネスパーソンがロボットによる接客にとまどうことはないと思うが、まさか恐竜の接待では人気のホテルになれるとは思えない。ビジネスマン向けの愛されるキャラクターを導入するのか、あるいは徹底した効率重視の完全自動化を目指す「変ではないホテル」のか、都心のビジネスマン向けホテルが大変興味深い。

HISは大阪や、台湾、中国・上海など国内外に「変なホテル?」の進出を計画しており、都内のホテルは今後の進出の成否を占う試金石になるだろう。 (田村)

 

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