No.825 オールを任せぬために

  先日FPの試験が終わりました。発表を楽しみに待っている人も解答に失敗したと心配している人もいるでしょう。小さな失敗のメリットを前回書きましたが、小さな失敗に口うるさく大きな失敗は見ないふりをするのが、日本の社会の特徴です。だから小さな失敗を避けたいと考えるのは当然です。結果、失敗したくないので、何か理由を見つけて挑戦するのをやめる人が多くなります。これが当たり前になると単に損なだけでなく、自分の免疫力を落としてしまいます。

J-POPや漫画にも、このことは描かれています。「宙船」では、人生には不運や予想できないことが一杯(「地平の果て水平の果て、そこが船の離陸地点、すべての港があかりを消して黙り込んでも」)、だからこそ何が正しいかや他の人の評価に引きずられる事なく(「その船を漕いでゆけ、おまえの手で漕いでゆけ、おまえが消えて喜ぶ者におまえのオールをまかせるな」)、自分で試行錯誤して自分の幸せをつかむのが本当の人生(「その船は自らを宙船と忘れているのか、その船は舞い上がるその時を忘れているのか」)と歌われています(中島みゆき作詞作曲「宙船」)。小さな逃げを打っていると、いざという時、自分の人生を決めるオールを握ることができなくなるのです。

「HUNTER×HUNTER」では、仲間と命をかけた試験で迷路を進み時間切れが近づく中で、全員で進めるが時間がかかる道Aと、メンバーの少人数しか進めないが時間がかからない道Bの選択を迫られます。迷路は俯瞰することができれば簡単ですが、その中の住人になると効率的な小さな失敗、ずっと左壁を触り続け行き止まれば戻るなどを繰り返さないと、出口は見つかりません。最後まで自分で考える主人公が、仲間と成果とのどちらを選んだかは是非皆さんも考えてみてください。

大学卒業までラッキーだった人が、つまらないミスに過大に反応し脱線するのを、社会人になって何回か見ました。ある人は取引先と接待に予約の取りづらい店を早めに押さえるよう上司に言われたものの予約できず、それを言い出せないまま接待日を迎えてしまい、その後しばらくして自分で会社を辞めました。Aの道を通ったことがある人には何でもない失敗で、解決策は明快です。ネアカに早めにフォローすれば、怒られはしますが上司が助けてくれます。順調に見えるBの道にも、人生ですから時に落とし穴があります。良い友人がいれば落ちた穴に降りて一緒に道を見つけてくれるかもしれませんが、Bを進んだ人はしばしば、自分一人で成功したと思いこみ人に相談できません。

僕も小さな失敗が苦手で、ちょっとしたミスをすると無意識に何かのせいにしたり、自分では言い訳と感じていない原因を見つけたりします。すると僕の奥さんが、「言い訳なんか言わないで、単純に失敗したと言えばすむ話じゃないの。」といって、笑い飛ばしてくれます。自分の手でオールを握りたいなら、仲間の力は偉大です。 (岩崎)

 

関連記事

  1. No.688 VRの力

  2. No.784 中古品・リサイクル品に関するマーケティングデータ⑧

  3. No.721 若者は何度もだまされる

  4. No.735 付き添い消費に関するデータ⑧

  5. No.738 土日の行動パターン①

  6. No.747 かきりんがくる(番外編) 麒麟がきつつある!

  7. No.693 善人は早死にする

  8. No.732 付き添い消費に関するデータ⑦

  9. No.832 学部のモットー

最近の記事