No.835 自分で判断する癖

 

 3月のある日ローカル駅で指定券を買って名古屋まで新幹線に乗ろうと新横浜に着くと、構内に人が溢れています。送電故障で2時間近く新幹線が止まっていたようです。SNS等に注意していれば気づいたのかも知れませんが、切符を買ったローカル駅の自動券売機では止まっている表示はありませんでした。人任せにせず自分で情報を集めないと行けないな、でもどうしよう明日朝一番で岐阜に向かおうか、とぼーっとしていたら、突然ただいまから運転を再開しますと放送が流れました。名古屋へは1時間ちょっとなので、混んでいても立って行けばいいかと、とりあえずホームに出てみるとやはり乗客が結構待っています。並んでいた人に続きとりあえず来た新幹線に乗ったのですが、大勢待っているにもかかわらず後続の乗客が乗ってきません。普段より乗客が多いものの各車両に10席以上は空席がある状態で発車し、結果30分ほどの遅れで無事岐阜にたどり着きました。

 新幹線に乗ってしばらく、改札に溢れホームで待っていた人たちは何をしていたのだろうと不思議でした。全ての列車が1時間半近く遅れていたので、たぶん自分の持っている指定権の列車を待っていたのでしょうが、運転再開後発車する全ての新幹線に、空席が結構ありました。飛び乗れば移動できますし指定券は空席があれば座れます。それでも皆お行儀良く待っていたようで、指定券と関係なく移動していたのは外国人がほとんどでした。もちろん、遠隔地を目指す人は疲労を考えると事情は異なると思いますが、遅延で移動をやめた人もいるでしょうから途中から座れる可能性もありそうです。状況を見て臨機応変に対応する能力が知らず知らずに日本人は低下しているのかも知れません。同様なことは、大雨洪水警報や地震警報でも起こります。そしてこちらは、直ちに命に関わります。日頃から自分で判断する癖を付けておかないと、大切なときに体が動かないかも知れません。

 自分で判断するより、ネットやAIをうまく活用すればよいと考えた人もいるでしょう。エクスプレス予約を利用すれば新幹線はスマホで予約変更ができます。しかし、想定外の事が起こった場合は、変更が集中するため、発車間近の列車の予約変更や、すでに発車しているはず(・・)の車両の予約変更は受け付けません。では、想定外に弾力的に対応できるようAIの活用でプログラムが変更された未来はどうでしょうか? 渋滞情報を流すグーグルやヤフーのナビでは様々な実験が行われています。検索状況を元に、渋滞を予測し、渋滞情報を流すだけでなく、迂回経路の表示をどの程度の人に見せると最も渋滞が解消されるかも実験しています。人により迂回路がナビ上に示されますがそうでない人もでます。

言葉を換えると、ナビが人々の自由意志をコントロールしているようにも見えます。渋滞ならまだましですが、そのうち結婚相手もAIスピーカーのアレクサが助言し、結婚に必要なグッズを同時に薦めてくるかもしれません。自分で何を判断するべきか日頃から意識することが、自由を守る砦になるかも知れません。 (岩崎)

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