テーマ:コラム

 利用頻度が高いお店の店主や店員と親しくなることについて、「好ましいことだと思う」としたのは55.5%であった。この割合は女性より男性のほうが高めであり、特に男60代(68.9%)、男50代(65.1%)で高かった。一方、女性は男性に比べて、「お店のジャンルによって異なる」とした割合が高めであり、慎重な傾向が強い。「好ましいことだと思う」の評価理由(自由筆記で回答)では、「お店を利用しやすくなる、行くのが楽しくなる」「情報が得られる、相談できる」「人間関係が楽しくなる」「サービスが良くなる」などの意見が多くみられた。裏を返せば、これらは、店主や店員と親しくなることでユーザーが期待しているポイントとも言える。(常川)

 


テーマ:ニュース

 ビジネス企画学科4年生の専門演習(ゼミ)にて、各学生がそれぞれ選んだ研究課題についてプレゼンテーションアプリを用いて進捗報告を行ってもらいました。まだ仮説設定の段階の学生がほとんどで、今後の進め方について多く指導を行いました。今後これらの研究課題について分析・考察を深め、充実した研究成果に到達してくれることを期待しています。(横井)


テーマ:コラム

 

 前回前々回のコラムでは日本と英国の戦国時代ドラマと歴史事実を比べ、物語とは違って争いが権力闘争だけではなく経済問題とも強く結びついて、現実的な社会を形作ってきた可能性を読書という冒険から読み取りました。現実の血なまぐさい歴史の中で法律や民主主義が育ってきたようです。完全なファンタジー作品Fate/stay nightの固有結界という魔法の中で剣が形作られることからイメージして、畦地先生は出身地の原体験景色の中で、社会で生きる自分の武器を磨かれたというコラムを書かれました。中世の現実では、ファンタジーのように魔法だけでは剣は生まれず、マネーと経営が必要だったようです。日本でも英国でも徳政令という借金帳消し法令からそれが読み取れます。

 昔日本史を学んで徳政令って変だな、借金を返すのは当たり前なのに、と思った人も多いでしょう。その違和感は大切です。最近の早島大祐の研究によると、当初は天災に際し、統治者の徳のなさを意識し善政を行っているとアピールするためのスローガンであったものが、鎌倉時代には武士であった御家人が武具の調達や遠征費での借金でやむを得ず手放した土地を取り返すために幕府が命じた法令となり、室町末期には、それを見習って今度は困窮した有力庶民側が土一揆として徳政を要求したものが、戦国時代にはさらに変化して、地域の統治者が戦費調達のために借りた費用を踏み倒す目的で発令されるものに変質し有力庶民から嫌われた結果、徳政令が自然消滅しマネーの基準も統一されました。中世までは借りた金は返すという考え方以外に、借金帳消しは理にかなった権利の主張、という考え方が両立していた。近世になって市場経済の利点を活かすため、前者が倫理的に正しいと標準化されてきたというのです。

 実は人類の歴史と共に徳政令は古く、文化人類学をもとにした『負債論』でグルーバーは5000年前からの徳政令の実例を引きながら、戦争をするために統治者が借金した負債がマネーの起源で、それを税金で回収し市場が生まれたと説明しています。負債を統治者は自分たちの借用書であるマネーで税金を払わせ帳消しにし、税金が払えなければ高利で貸し、返せなければ借りた側の責任とし逃げられないため時々助けました。この方式は近代植民地経営にも使われましたが徳政令はなく、未だに苦しんでいる国があります。

 もう少し穏和な見方として、『21世紀の貨幣論』でマーティンは、マネーは金銀などの「もの」ではなく、社会を運営するための思想=「技術」だとします。マネーは経済価値を測定単位として示すものですが、本来は交換が成り立つための公正さの相対的な尺度で必要に応じては徳政令や価値変動も必要だった。昔の統治者はそのことをよく知っていたが、近世になって自由主義、民主主義定着のために測定単位を絶対的なものとした結果、借金は返すことが誰も疑わない正義となったとします。会計技術としては価値が固定していたほうが会計を確定するのが容易で、株式を集め資本主義を進めるには好都合でした。その結果豊かになったが富の偏在も起こり、それを解消するためにはもう一度マネーの意義を考える必要があるというのです。歴史から学べば、時代を切り拓く新しい剣のためには、もう一度現在の徳政令が必要になるのかもしれません。(岩崎)

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