テーマ:コラム

 子どもは遊ぶのが仕事と言って、子どもを遊ばせるのは当たり前で、子どもに仕事をさせるというと、児童虐待と白い目で見られそうですが、子どもに仕事をさせることはいけないのでしょうか。

 動物たちも遊びます。しかし、子どもの時だけに限られ、成長とともに遊びの行動は見られなくなります。子どもの時の遊びのほとんどは、親のマネをしながら捕食の練習といえる行動で、兄弟同士のじゃれ合いなども含まれます。つまり、動物たちの遊びは職業訓練に近い行動なのです。

 動物の大人たちの日常生活のほとんどはエサを探す行動が占めています。移動・捕食・休憩に彼らの生活時間のほとんどが費やされます。

 この様な中で、カラスだけが遊びと思われる行動をすることが広く知られています。これは、人間の生活圏に近づくことで豊富なエサを短時間で手に入れることで、時間的な余裕を持つことが可能となり、遊ぶ時間ができたからと考えられています。

 動物園のサル山のサルたちはいつも寝てばかりいて羨ましいと思っている人もいるのでしょうが、実はサルたちにとって大きなストレスを抱えているのです。サルたちにとっての生きがいは、1日中エサを探して山の中を歩き回ることです。北海道の旭山動物園がエサを複雑な形状の箱に入れて、パズルの様に箱を操作しないとエサが出てこない工夫を凝らしたところ、一部の来場者からはサルが可哀そうという声が有ったと言いますが、サルたちが毛をむしるなどのストレスによる異常行動が抑えられたと報告されているのです。しかし、この試みも、サルの高度な知能によって簡単にエサを得る方法が解明されてしまうために短期間しか効果が得られなかったと言います。

 この様に動物たちは生きるための必要な基本行動であるエサをとるために必死に生きているのです。このことは、人間も同じで空腹時に脳の活動が最も活発に活動すると言われ、農業が発明される以前は動物たちと同じように、捕食のために全能力を使って野山を探し回っていたであろうことが裏付けられています。

 この様に、今までに取り上げてきたテーマをまとめると、子供にとって親のマネをしたいと考え、そして行動することでは、とても自然なことだということです。

 親のマネをする赤ちゃんや子供たちは、親と同じことを自分もしてみたいと思って、親のそばに寄ってきて、当然手を出してくるでしょう。その時に親たちはじゃまだから向こうに行って遊んでいなさい、と追いやってしまいますか、それとも、このことをチャンスと考えて、子どもの興味を引出していっしょに仕事を教えてあげるのでしょうか。時間と仕事に余裕のある場合は、子どもにも教えたいと思うのでしょうが、親たちはそんな余裕を無くしてしまっているかもしれません。 

 子どもたちは、親のじゃまにならないように、遊びのためのおもちゃが与えられ、子ども同士で遊んでいることが親にとって都合が良いとお考えでしょうか。

 ここからは私の仮説ですが、赤ちゃんや子どもたちが興味を持ち始める時期は、脳科学などの発達によって解明されつつあります。例えば、味覚に関する感覚は3歳ごろから急速に発達が見られ、好き嫌いなどもこのころに見られる現象ですが、この時期は料理に関しても強い興味を示しますから、いっしょに料理を作るなどの手伝いをさせることをとても喜びます。

 小さな子供に刃物を使わせることには、賛否両論があります。しかし、ナイフの使い方をちゃんと教えられた子供たちは、小さな怪我や傷を負うことが有っても、大怪我を負うことは無いという教育関係者も多いのです。私も経験的に子どもに石油ストーブで火傷をしない教育方法として、熱いから触るなと教えるよりも、実際に火傷にならない程度の温度のストーブに触らせて、ストーブは熱いのだと体験させることの方が、確実に子供にストーブの熱さを伝えることができた経験を持っています。

 親が使っている道具をそのまま子供に使わせることにどれだけの障害があるのでしょう。道具を子供に取られて仕事ができなくなるのでは困ってしまいますが、模造品や、危険性を無くしたものをだけを子どもに与えるのが本当に自然なのでしょうか。

 今後、子どもとおもちゃについて、もっと考えていきたいと思っています (田村)

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