テーマ:コラム

 

 最近は企業でもスポーツ団体でも官庁でも、「誰が悪い」という報道が盛んです。社会に出て組織に属しても所詮こんな世界だとさめている人もいるでしょう。しかし、冷静に見れば、ニーズをつかみ構造のしっかりした組織は誰がリードしても、誰が部下となっても一定の成果をあげる枠組みを持っています。だから存続しているのです。短期的には成果はニーズに合わせた組織構造次第で、人次第で風通しの良さが決まります。就職を考えると、成果があがって、かつ雰囲気も良い組織はないものでしょうか。

 どうやって利益を上げるかなどのやるべきことが明確だった時代は、分業して仕事の内容をプログラム化し、そこに乗らない仕事に上が対応する官僚制のような組織が効果的です。このような下部でのマニュアル、上部での意志決定という組織構造があり、ニーズや規制を見つけていれば社長が何もしなくてもある程度組織は動きます。携帯ショップでは誰が店長でもマニュアルに従えば店をある程度運営できます。お得な組織に見えます。同時にニーズをつかみ組織を創り上げた当初は以前書いたソニーのように、成果が活発な組織風土を育み内部の雰囲気もよくなります。組織の中で人という資本がより活性化し想定以上に成長します。風通しも良くなります。

 しかし、その組織も時間がたつと、ビジネスモデルが社会の変化や環境に合わなくなります。その変化に気づかず安定を求めると、社風はおっとりしていても次第に衰退します。ぬるま湯状態です。つぶれないまでも、社員は仕事に面白さを感じることもなく、周りの空気に合わせる波風たてない組織とも言えます。大手のみならず地方にもこのような会社は多く見られます。閉鎖的ですからパワハラやいじめも発生しやすくなり、以前の溌剌とした雰囲気は消えます。一般的に日本の組織は設立からやや時間がたっていますから、ここから抜け出せるかどうかは、変革を目指すリーダーがいるかどうかで変わります。

 組織の実際はもう少し複雑ですが、もし安定性、給料、勤務時間、世間体、と何かと「お得」を考えて就職活動をするなら溌剌とした職場環境はあきらめて、趣味に生きる方が良いかも知れません。ただし、他社でも使える技術は身につかないので組織と運命共同体になります。もし仕事のやりがいを重視するのであれば、先物買いのリスクはあっても規模にこだわらず、新しい市場に挑戦している企業を調べて選ぶべきです、ただしキャリア中心、かつ転職に備える生活になるでしょう。

 どちらも嫌なら、企業のリーダーや職場の雰囲気を確認し、例外的な企業を探すしかありません。そのためには事前に先輩の評判等の情報収集や会社訪問が必要です。経団連の主張通り解禁時期がなくなっても就職活動をお得な会社選びだと思わなければ、経営学部生にとっては意識次第では自分にフィットした会社を知る機会が広がるかも知れません。 (岩崎) 

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