テーマ:コラム

 

 就職活動については、趣味等やりたい生活のための給料をもらえる場として会社では周囲に合わせ今は安定している職場を選ぶか(ぬるま湯志向)、将来のキャリア形成を考えて新しい市場に挑戦している職場を選ぶか(キャリア志向)、その両方とも嫌なら社員どうしや取引先との信頼で仕事をしている例外的な会社をじっくり探すことを勧めました。AI後の仕事を考えると、将来AIに奪われず面白く仕事を続けるには、AIを猛獣使いのように働かせるキャリア志向の会社か、人間の特徴を活かす例外的な会社が対象になります。ライブゼミでも分析したように、専門性があって人と人の関係性を重視する会社です。

 (注 ぬるま湯志向の会社の仕事はあと10年ほどでAIに移され、ぬるま湯に入れる社員をさらに絞るでしょう。大企業は1990年代にバブルの崩壊によって、正社員の仕事を組織の内側に属さない非正規雇用者に移した実績があります。)

 愛知県春日井市にISOWAという段ボール製造機械を作っている会社があります。売上高117億円、従業員281名の中堅企業ですが、この会社の採用には東海地区のみならず全国から学生が押し寄せます。社長は「世界一社風のいい会社作りが目標です」と公言し、ブログを13年以上毎日書き続けています。社長が最初にやったのは、徹底的に話しあい不満をなくすことでした。他社の社長と違っていたのは、この話しあいを「会社の文句を言う会議」として、社長も入らず記録もとらず会社の悪口を延々語りあう会からスタートさせたことです。悪口が出尽くした後、不思議なことに、仲間を、会社を何とか良くしたいという思いが高まり、やらされ感のない社内での関係性が働く意義を生み出していきます。

 他社に真似できない革新的な新商品やサービスが生まれてきたのは、ISOWAの機械を使っているお客様も仲間であり、社内と同じように不満を解消したいとの認識が社内に広がったためで、お客様の共感も得て成功しました。この会社の主役は掛け値なしに社員で、今年は第8回「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員会特別賞も受賞しました。2012年2月の日経ビジネスの記事では「信頼関係は働きがいを生み、従業員の自発的な行動を促す。それが会社の成長につながり、社会への貢献と結びつけば、また新たな信頼関係が醸成される。」と評価されています。

 仲間と真剣に話し合うことは以前ふれたように「対話」と呼ばれており、なぜか問題を解消してくれたり、新しいアイデアを生み出してくれたりします。対話のある会社が、就活のターゲットとなる例外的な会社です。例外的な会社の社員は満足感が高い社会生活が送れます。そのため会社を訪問して社員の皆さんの顔つきや話し方を見ると、例外的な会社かどうかは一目瞭然です。キャリア志向の会社も訪問するとわかりやすいですが、こちらは自分が前に出るというギラギラ感が伝わってきます。これに対し例外的な会社は、はつらつとして、かつ出しゃばらず包み込むような雰囲気です。アクティブラーニングやインターンシップを通じて是非色々な会社を自ら訪ね、違いを感じてください。 (岩崎)

 

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