朝日大学経営学部ビジネス企画学科

No.750 Sapporo Sight-Seeing (1) はまなすの丘公園(石狩川河口) | 朝日大学経営学部ビジネス企画学科


テーマ:コラム

 今回から数回に渡り、後学期開講科目「地域表象論」との連動企画を連載します。

 私(畦地)は厳密には札幌ではなく大阪府守口市出身(生誕)なのですが、小学校から予備校修了までを過ごした札幌市を、自分の“故郷”だと考えています。その故郷で過ごした少年期8年間+就職3年間を合わせた11年間よりも、すでに朝日大学に奉職している期間の方が長くなっています。このまま瑞穂市に骨を埋めるつもりなのですが、それでもどうしても当地での生活は「借り物の服を着ている」感覚があります。毎夏、本当に死ぬんじゃないかと欠かさず思ってるしね。

 これは、住んでいる長さではなく、人格形成の過程で「自分を形作っている」地域がどこなのか、ということで故郷が決まるということなのだと思っています。自分のアイデンティティの中に、(生まれ)育った地域の表象representations of region…感情と直結する地域のイメージが含まれ、それを切り離すと自分が自分として存在し得ないということが原因だと考えられます。例えば、災害(や戦争など)で今まで住んでいた地元を失ってしまうことによりメンタルヘルスが悪化する事例が多いのは、自分の一部となっている地域表象が破壊されてしまうことが一因だと思われます。

 という理論編は授業の方に取っておくとして、連載では「畦地を形成している札幌(近郊)」の地域表象を紹介していくことで、それが何か?の例示をしていきたいと思います。読者から見ると「畦地が案内する、札幌観光案内」ということです。

 今回は石狩川河口の公園です。札幌の中心から北に自動車で小一時間行ったところということで、初手から札幌ではなく石狩市の光景になっていますが、ご容赦を。ここは(Googleで調べるまで知らなかったのですが)「はまなすの丘公園」と名付けられた自然公園です。敷地内には「喜びも悲しみも幾歳月」に登場する石狩灯台が保存されていることでも有名です。

 近隣は砂浜で海水浴場となっており、公園内にも夏場には行楽客が多くいるのですが…写真を撮影した某年10月下旬には誰もいませんね。駐車場から公園の端である石狩川河口までは、およそ2kmの道のりなのですが…途中500mほど行ったところで作業中の管理者を見かけたのを除くと、人がいません。石狩川河口に1人立つと、自分からおよそ半径1km以内には誰も存在していないという計算になります。

 これが私の「北海道に帰ってきた」と実感する原風景の一つです。周囲に誰一人おらず、視界が遮られないこと。もちろん、正面に見えるゴミ焼却施設などの人工物があり、この後“佐藤水産”の食堂で茨戸川を見ながらコーヒーを飲むのを楽しみにしている程度の“独りぼっち”なのですが、それでも空と大地の間に自分しかいないと思い込める状態には心が安まります。子供の頃には2度ほどしか来たことがないはずなのですが、前職の3年間、何か嫌なことがあるとすぐに車を飛ばして心を解放しに来たということが、この場所が自分に組み込まれる大きな要因になっているのかもしれません。理論編に立ち返ると、30過ぎて地域によって形成された人格が存在するということなのか…。

 この写真を授業で見せながら「私の固有結界」と表現したところ、一部の学生から大ウケでした。詳しくはTYPE-MOON作品を参照(分かりやすいのは「Fate / stay night 無限の剣製(アンリミテッドブレイドワークス)」で検索)。誰もが(それが現実を侵食できるかどうかは別として)自分の心の中心(核)となる、自分から決して切り離すことのできない心象風景もしくは地域表象を持っていると思います。あなたの固有結界は、どのようなものでしょうか?(畦地)

 

PAGETOP