朝日大学経営学部ビジネス企画学科

朝日大学ビジネス企画学科~Column(コラム-04/02/02) | 朝日大学経営学部ビジネス企画学科


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1月24日号(第147号)  


 身近なビジネス 
「映画のみかた2」←「映画のみかた」の続き
 
 最寄りのシネコンまでのバス料金が以前の片道380円から100円になっていたので何をするにも億劫なお正月ぼけ解消を兼ねてトム・ハンクス主演の「ターミナル」を見てきました。よい映画に出会うと、いくつもの発見ができる楽しみがあります。 まず元気を出すこつが見つかります。「ターミナル」は、ニューヨークの空港に着いたとたんに、祖国が無政府状態となり、アメリカに入国もできず祖国にも戻れず国際線ターミナルに住むことになった男の話です。最初は言葉も通じず、空港で働く様々な苦悩を抱えた貧しい移民たちから冷たくあしらわれていたのですが、ある夢の実現のためアメリカ入国を決してあきらめない彼の誠実でひたむきな生活ぶりは、逆に周囲を励まし彼らの希望の象徴になっていきます。あり得ないような話なのですが、巧みな脚本と名演技で「ひたすら夢の達成のために前向きに生きること(トム・ハンクスの言葉)」が嫌味なく伝わってきて、前向きな力がでます(実は実在のモデルがパリのドゴール空港にいるそうです)。
  次に、知らない世界や歴史の意味を体で感じることがあります。主人公がアメリカまで追いかけてきた夢は、彼の父親の絶望感と希望から生まれたものであることが映画後半で明らかにされます。父親は今から50年も前のソビエトが自由主義運動を弾圧したハンガリー動乱に関係していたのです。知識としてしか知らなかった歴史が、50年たってもあまり変わっていない世界の現実としてひしひしと伝わってきました。それでも、障害を恐れずとにかく前に進める人間の存在に、お話とはわかっていても勇気づけられます。
 最後に今時の徹底したビジネス最前線の状況も透けて見えます。この映画の舞台は、スターバックスやDFSなどがひしめく国際線のショッピングモールです。撮影は保安上の問題もあり実際の空港ではなく巨大なセットで行われましたが、その費用の一部は映画に出てくる企業が負担しました。この映画を見れば、誰でもHUGO BOSSはスーツのブランドだと一発で覚えるでしょう。このようなあざとくない形で伝わる広告を「プロダクト・プレースメント」といい、同じ監督の別の映画では25百万ドル、最近の007シリーズでは45百万ドルの資金を集めたものもあるようです。
 このように映画には様々な発見がありますが、見るよりも自分で作ると更に大きな楽しみと知識を獲得できます。ビジネス企画学科で行われる学生によるCM作品の質がその証明です。勉強嫌いで、映画と音楽にしか興味がない学生が作ったCM「朝日大学で会いましょう」は、教えなくてもストーリーの中に商品の特徴を織り込んだ「ブランド・インテグレーション」と呼ばれる最新の広告技法になっていました。    (岩崎)


 パソコンで遊ぼう 
「IBM、OSIに特許寄贈」

 昨年末、パソコン事業からの撤退を発表し、世界に激震を与えたIBMが、1月11日、所有するソフトウェア基本特許500件を、Open Source Initiative(OSI)に寄贈すると発表しました。  
 OSIとは、ソフトウェアの設計図にあたる「ソースコード」をインターネットなどを通じて無償で公開し、誰でもそのソフトウェアを改良し、また再配布を行えるようにするもので、これにより有用なソフトウェア開発が加速し、優れた技術を全世界が共有できるとした思想のもとで、Eric S. Raymond氏らによって創設・運営されている非営利組織です。  
 一般の企業の場合は、自社の開発したソフトウェアのソースコードは極秘とし、他社に供与するときにはライセンス料を取り、再配布も制限されることが通常です。
 オープンソースソフトウェアは、その代表ともいえるUNIX系のOS「Linux」が、世界の技術者の協力により完成度を上げ、サーバー用OSの世界標準となるなど、今後のコンピュータ業界の発展に強い影響を与え続けることが予想されています。  
 IBM は、米国における企業別特許取得件数で12年間連続首位を獲得し続けている特許分野でもトップ企業であり、今回のOSIへの特許寄贈は、全世界の技術革新に貢献するという表向きの名目と共に、自社技術との相互互換性を維持・促進させ、技術面での主導権を取りたいとの思惑が感じられます。しかし、このことが他企業にも影響を与え、ソフトウェア業界の新たな流れを作るかもしれません。   (田村)



 今週の話題 
「人口減少と財政赤字」
 
 先週の話題「少子化と外国人労働者」に続き、人口減少と財政赤字を取り上げてみたいと思います。人口減少については、昨年の特殊合計出生率が1.29となり、日本の人口が今後1~2年で、マイナス過程に入ることがあらためて見直されました。財政赤字については、財務省の資料によれば、2004年度末で、政府と地方(自治体)の長期債務残高は719兆円(財投を除く)、対GDP比で143.6%に達する見込みです。このような政府債務の増大もあり、日本国債の格付けは、米国の格付け会社のムーディーズ社によれば、「A2」とアフリカの小国ボツワナ「A1」以下になっている状況です。  
 このように、悲観論が多い中、米国から異論(楽観論?)が唱えられていますので、簡単に紹介したいと思います。これは、ニューヨーク連銀エコノミストのブロダ氏とコロンビア大学教授のワインスタイン氏の共同論文で、数式・図表も入れると40ページ以上の大作です。ここでは、まず財政赤字の問題を取り上げ、日本国債の数字は、「gross debt(負債総額)」ベースであり、資産部分を除いた一般的に使われているベースで算出すると、2002年度ではGDP対比64%に過ぎないとしています。このレベルは、ユーロ圏のイタリアやベルギー以下の水準となっています。第二の点としては、高齢化に伴い財政支出の増大に問題の焦点があたっていますが、若年層が減少することの教育費用の減少等が勘案されていないことを指摘しています。三番目には、出生率も長期で見れば「21世紀半ば」には、ライフ・スタイルの変化等により、上昇するとしています。最後に、財政支出の増大への対抗策(増税等)ですが、これも現状の税率はOECD諸国の中で、2番目に低く、増税等の余地はかなりあり、財政破綻も回避しうると見ているようです。  
 最近、財務省が、日本国債売り込みのためにロンドンで101年ぶりに機関投資家向けの説明会を開きました。これは、日本国債の残高の内、96%が国内で保有され、残り4%が海外保有のため、この保有率を高めるためのパフォーマンスだと考えられますが、却って、外国からの厳しい目で見られることにならないものかと、内心心配しています。    (階戸)
 


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